LONDON COLUMNING

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【VICE寄稿】UKインディーロックの今

RIP Indie - Big Night Out - Episode 6 - YouTube

カムデンという街が今でも好きだ。ロンドンに住み始めてからカムデンに住んでみたいという小さい頃からの夢が抑えられず、何とか友人に頼み込んで安家賃でカムデンのフラットに転がり込んだ。そんなに汚いっていうわけではなかったけれど、ベッドと仕事をする机しかないようなtinyな部屋で凍えるような春を過ごしたことはいい思い出だ。イギリス人の知り合いから「ラットハウス」と呼ばれても(ラットがよく出るのでそう名付けられた)、寝ているときに身体の上にラットが横切っても、僕はその家が好きだった。いや正確に言うと、その街が好きだった。

でもカムデンに住み始めて僕の描いていたカムデンは幻だったことに気づいた。いや幻が逃げていったらしい数年前に。いいライブハウスやパブは多いので、よくライブには行ったが、結局それはカムデンで起こっている何かではなく、どこかで起こった面白いものをカムデンの良質な箱に輸入しているだけのものだと感じるようになった。もちろん今でもカムデンで面白いことをしていたり、しようとしたりしている人もいる。でも僕には刺激が足りなかった。いや刺激的にはあったかもしれないが、思い描いていたカムデンではなくなっていったことに気づいた。かつてはパンクでロックでヒップでホップな街だったカムデン。ここからもう一度ロックスターは生まれるのだろうか。そんなことを考えながら記事を書いた。

UKクラブシーンを追う「BIG NIGHT OUT」シリーズ エピソード6。UKインディーロックの今 | VICE Japan | The Definitive Guide to Enlightening Information